トラブル回避!関税の基本と対処方法
皆さんこんにちは!
eBayサポートチャンネル運営事務局です。
eBay販売を続けていく上で避けられない課題のひとつに関税があります。
「関税って複雑だしバイヤーからも文句言われるし、なんだか怖い……」
という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、関税の基礎知識とトラブルへの対処方法をご紹介します!
基本をしっかり押さえて理解を深めることで、関税トラブルにも冷静に対処できるようになります。是非最後までご覧ください!
<※2022年6月8日:記事を一部加筆修正しています。>
📢関税とは?
関税とは海外から購入した商品にかかる税金のことです。たとえばアメリカのバイヤーが日本から商品を輸入した場合、そのバイヤーがアメリカに関税を支払うことになります。
この関税は、安い海外製品の輸入に制限をかけることで国内の産業を保護する役割があります。国によって制限したい輸入品が異なるため、関税のかかる商品やその税率も国ごとに違います。一概には言えませんが、一般的に輸入する商品の金額が高いほど税率も上がる傾向にあるようです。また、一定の金額までは免税とするケースも多いため、輸入した商品すべてに関税がかかるというわけでもありません。このように輸入を規制したいという国ごとの思惑が深く関係しているため、関税まわりの制度は複雑になってしまうのです。
実際の関税額は輸入商品の申告額に応じて各国の税関が判断するため、事前に把握しておくのはとても困難です。バイヤーから関税額がいくらになるかを質問された場合は、判断するのは困難である旨を伝えて税率を自分で調べてもらうように促しましょう。また、あくまでも目安ですが、シミュレーションサイトを利用してざっくりと試算するのもよいでしょう。Duty Calculatorなどのサイトが便利ですので、興味があれば参考にしてください。
【Duty Calculator】
📢通関の手続き方法
eBay販売においてセラーが対処しなければいけないのが税関手続きです。
海外へ商品を輸出する際の手続きは、郵便を利用するか、宅配便を利用するかで異なります。
1.日本郵便で商品を発送する場合
商品の総額が20万円以下であれば、郵便局等に備えている「税関票符」又は「税関告知書」に必要事項を記入して郵便物と共に提出します。
商品の総額が20万円以上であれば、郵便局等の窓口で輸出申告を行います。この際、自分で輸出申告を行うか、郵便局に輸出申告を委任するかを選ぶことができます。
セラーが法人である場合は、料金後納制度を利用することで郵便物が多くても手続きを一括で行うことができます。
2.国際宅配便(クーリエ)で商品を発送する場合
国際宅配便に用意されている送り状に、発送する商品の金額と詳細を記入します。通関手続きは通関業者が代わりに行ってくれるため、特別な手続きは不要です。手続きが少なくて便利な分、バイヤーへ請求される金額が手数料を含めて割高になります。国際宅配便は関税手続きが楽ですが、その分手数料が上乗せされバイヤーの負担額が増える傾向にあるため、DHLやFedEXの利用を嫌がるバイヤーもいます。日本郵便で発送してほしいと連絡があった場合は、無理のない範囲で相談に応じてあげるとよいでしょう。
📢関税クレームへの対処法
関税は輸入品にかかる税金であるため、eBayで購入する以上は避けて通ることはできません。
慣れているバイヤーはそのことをよく理解していますが、経験の浅いバイヤーのなかには関税についてわかっていない人も少なくありません。また、関税は輸入の際に日本郵便や宅配業者が立て替えていて、荷物を受け渡すタイミングで受取人(バイヤー)に請求するケースがほとんどです。そのため、関税を知らないバイヤーからすると「代金と送料を払っていざ商品を受け取ろうとしたときに、よくわからない料金を追加で請求された」ように感じてしまいます。関税を支払いたくなくて商品の受け取りを拒否したり、支払った関税の返金を求めて関税トラブルに発展する場合も少なくありません。
そんなトラブルに対処する手順をケースごとに見ていきましょう。
1.関税分の返金を求められている場合
①関税のルールを伝える
まず原則として、関税はバイヤーに支払いの義務があります。要望に応じてセラーが関税を立て替える必要はありません。それが各国の法律でありeBayの規則にも明記されています。返金を求めてクレームが来た場合、まずは堂々とこの原則をバイヤーに伝えましょう。疑問が残るようであれば、eBayや自国の税関に直接問い合わせるように促すのもよいでしょう。
②eBayに状況の報告をする
それでもバイヤーが納得しない場合は、eBay販売サポート(▶無料のeBay販売サポートの申し込みがまだの方はこちら)に状況を報告しましょう。万が一、返金を断ったことでネガティブフィードバックをつけられたり、ケースオープンされてしまっても、その原因が関税の支払いに関するものであればeBayに削除してもらうことができます。
2.荷物の受け取りを拒否されている場合
①関税のルールを伝える
こちらの場合でも、まずはバイヤーに関税を支払う義務があることを伝えましょう。不必要なトラブルをす防ぐために「何故払わないんだ」という高圧的な態度ではなく、事実を淡々と伝えるようにしましょう。
②場合によっては一部返金を検討する
国際宅配便の場合、商品の返送料が高額になる場合があります。受け取り拒否による強制返送でも返送料の支払いは送り主にあるため、その場合は、荷物を受け取ってもらうために関税の一部をセラー側で負担するのもありです。義務ではないのですが、すこしでも損を少なくするためと割り切って、それぞれの負担額をバイヤーと相談しましょう。
③関税理由による受取拒否によりバイヤーがネガティブフィードバックを付けた場合
関税理由によるネガティブ評価は全て削除対象になりますので、バイヤーからのメッセージは証拠としてスクリーンショットで保存して、eBayサポートに送信しましょう。
📢関税トラブルの予防法
1.商品ページに関税のことを明記しよう
商品ページの注意事項に、あらかじめ関税について記載しておきましょう。
・商品の合計金額によっては関税がかかる可能性がある
・eBayの規約では関税の支払い義務はバイヤーにある
この2点をあらかじめ記載しておくことで、後のクレームに対しても事前説明はあったという証拠になります。
2.発送前に関税について改めて伝えよう
商品ページの記載を確認しないバイヤーも少なくありません。そこで、商品の発送前に、改めて関税について伝えるとより効果的です。関税のかかる傾向にある高額の商品を優先して連絡するとよいでしょう。インボイスのコメント欄を利用する手もありますので、こちらの記事も参考にしてください。
▶過去の記事:「何を書く?」請求書のコメント欄活用でトラブル回避!
3.アンダーバリューは断ろう
関税について熟知しているバイヤーは、関税を回避するためにアンダーバリューを要望する場合があります。アンダーバリューとは、商品の代金を実際よりも低く申告することで免税を狙う脱税行為です。違法となりますので、基本的にアンダーバリューは断るようにしましょう。詳細に関しては、こらちの記事を参考にしてください。
▶過去の記事:要注意!アンダーバリューの対処方法
最後に
以上、いかがでしたでしょうか?
eBayで海外に商品を販売する以上、関税は避けられない課題です。とはいえ、決して難しいものではありません!発送する際に商品の代金と詳細を正しく申請し関税が発生する可能性について商品ページで告知や購入後のバイヤーにメッセージで連絡しておけば、セラーとしての責任は果たすことができます。たとえクレームを受けたとしても慌てることなく、冷静に対処していきましょう!
eBayサポートチャンネル運営事務局
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投稿を表示3年生さん
コメントありがとうございます。
記事の内容が一部間違っておりましたので修正しました。
「商品の強制返送の原因が、関税の支払い拒否であることを説明することで、高い確率でセラー保護の対象となり商品代金の返金が免除されます。」との記述がございましたが、これは事実と異なるため記事を修正しております。誤解を招き申し訳ございません。
したがって、ご質問いただいた「返送商品を破棄」する場合についても同様で返送料は発生しなくなりますが、商品代金の返金は必要であり、また返送破棄までの保管料が発生した場合についてもセラー負担となります。
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投稿を表示有益な情報ありがとうございます。
「関税の支払い拒否のために荷物が配達されなかった場合、セラーは商品代金を返金する必要がありません。」という決まりが存在することを初めて知りました。「商品の強制返送の原因が、関税の支払い拒否であることを説明することで、高い確率でセラー保護の対象となり商品代金の返金が免除されます。」とのことですが、返送料の負担を避けるために現地で廃棄してもらった場合にも同様の対応をしてもらえるのでしょうか?