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要注意!アンダーバリューの対処方法

皆さんこんにちは!

eBayサポートチャンネル運営事務局です。

eBay販売を続けていると、バイヤーからこんなコメントが届くことがあります。
「$300の商品を買ったけど、送り状には贈物(GIFT)として商品価格は$20と申告してね」
せっかくの要望なので応じてあげたくなるかもしれませんが、ちょっと待ってください。

それはアンダーバリュー(過少申告)といって、実際よりも低い商品価格を申告する脱税行為です。もちろん違法ですので、気軽に応じてしまうとセラーにも大きなリスクが生じる可能性があります。
今回は、そんなアンダーバリューのリスクと対応についてご紹介します!

 

 

📢アンダーバリューとは


アンダーバリューとは、輸入の際にかかる税金を回避するために行う虚偽申告のことを指します。他国のセラーから商品を購入したとき、バイヤーは商品を受け取るために取引価格に応じた輸入税や消費税などを支払う義務があります。その税金を少しでも安く抑えようと、このアンダーバリューを試みるのです。アンダーバリューには次の2つの方法があります。

取引価格を実際よりも低く申告する

他国から商品を輸入する際に発生する税金の金額は、税関用の書類(カスタムインボイス)で申告された取引価格によって決まります。関税がいくらになるのかは国の制度や商品の種類によって様々ですが、少額の取引であるほど安くなる傾向にあります。そのため、実際の取引価格が$300であった場合でも、書類の上で取引価格を$20と申告することで、請求される税金を本来よりも安く抑えることができるのです。

GIFT(贈物)として申告する

国際郵便では、税関用の書類や送り状の中で、郵送する商品の種別を選択する必要があります。eBayで販売した商品を送る際には本来「商品(merchandise)」として申告します。ここをあえて「贈物(gift)」と申告することで、これは金銭のやりとりのない取引であるとして税金を免れようするのです。高額の取引になるほど高額の輸入税や消費税が発生するため、少しでも利益を出したいバイヤーの中にはアンダーバリューを要望する人もいるのです。

 

 

📢アンダーバリューのリスク


アンダーバリューは脱税を試みる違法行為ですので、相応のリスクがともないます。

①罰則を科せられる可能性がある。

各国の税関は脱税を防ぐために虚偽申告がないかどうかを厳重に審査しています。なかにはデータを蓄積して輸入品の相場価格などを把握している場合もあるため、アンダーバリューは発覚する可能性が高いと思ってよいでしょう。アンダーバリューが発覚した場合、関税法の罰則が適用される可能性があります。

名称 犯罪行為の内容及び法定刑 備考
関税ほ脱犯 偽りその他不正の行為により関税を免れる行為等(関税法第110条)
【10年以下の懲役若しくは1,000万円(*)以下の罰金又は併科】
* ほ脱額等の10倍が1,000万円を超える場合は、情状により、ほ脱額等の10倍以下
未遂も同罪(予備は5年・500万円(*))
* ほ脱額等の10倍が500万円を超える場合は、情状により、ほ脱額等の10倍以下
無許可輸出入・虚偽申告犯 許可を受けることなく貨物を輸出入する行為
偽った申告若しくは証明をし、又は偽った書類を提出して輸出入する行為
(関税法第111条)
【5年以下の懲役若しくは1,000万円(*)以下の罰金又は併科】
* 貨物の価格の5倍が1,000万円を超える場合は、貨物の価格の5倍以下
未遂も同罪(予備は3年・500万円(*))
* 貨物の価格の5倍が500万円を超える場合は、貨物の価格の5倍以下

関税法の罰条に関する詳細は、日本税関の公式サイトをご覧ください。
【税関:関税法の罰条】

②受け取れる補償金額が少なくなる

郵便物は配送途中に紛失したり破損してしまうことがあります。このような場合に備えて、各種国際宅配便(クーリエ)では紛失した商品にたいして補償金を支払う制度があります。この補償金額はあくまでも申告した取引価格に応じて決定されるため、本来よりも安い取引価格を申告していた場合は、本来よりも低い補償金額しか受け取ることができません。アンダーバリューをした商品が郵便破損でダメになってしまった場合、本来の取引価格である$300をバイヤーに返金した上で、補償金額が$20しか受け取れなかった場合、差額の$280はそのままセラーの損失になってしまうのです。

③消費税還付が取り消される可能性がある

消費税還付が適用された場合でも、後からアンダーバリューの申告が発覚してしまうと、還付が取り消されて受け取れない場合があります。

 


📢アンダーバリューは断ろう


アンダーバリューは脱税を試みる違法行為であるので、要望されてもきっぱりと断りましょう。

eBayのポリシーにおいても関税の支払いはバイヤーの義務でありアンダーバリューは違反として定められています。アンダーバリューを断ったことを理由にバイヤーからネガティブフィードバックやディフェクトをつけられてしまっても、eBayに事情を説明することで取り消してもらうことができます。恐れることなくアンダーバリューはできない旨をバイヤーに伝えましょう。その際、アンダーバリューはバイヤーにとってもリスクが高く危険なのでお勧めできないと伝えてあげましょう。また、アンダーバリューには応じないことをあらかじめ商品ページに記載しておくと断りやすいのでお勧めです。

 


📢取引価格を安く申告してもいい唯一のケース


アンダーバリューは違法であるとお伝えしてきましたが、取引価格を安く申告することが許される唯一のケースがあります。

それは、Free Shipping (送料無料)として商品を固定価格で販売した場合です。

Free Shippingの固定価格で商品を出品する場合、その固定価格にはあらかじめ送料が含まれているとみることができます。その場合のみ、送料分の金額を取引価格から差し引いて申告しても違法とはなりません。販売価格が$300に対して送料が$20であった場合は、送料分を引いた$280を実際の取引価格として申告できます。もちろんそれ以上の金額を差し引いてしまうとアンダーバリューに該当してしまいますので注意です。

 


最後に


以上、いかがでしたでしょうか?
少しでも税金を抑えて利益を出そうと積極的にアンダーバリューをセラーに依頼するバイヤーも少なくありません。そんな場合でも慌てることなくやんわりとお断りして、違法行為からは距離をとりましょう!たとえそのバイヤーが離れていってしまったとしても、善良なバイヤーとの取引を優先するほうが結果として長くeBay販売を続けることができるのです!

 

eBayサポートチャンネル運営事務局

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1 件の返信 (新着順)
mmaaxx
2022/06/03 08:36

GIFTと共に有償/無償の申告がありますが、国際郵便マイページだと「販売品(売買が生じる)場合は「有償」、その他贈り物等の場合は「無償」です。」と説明されています。これは「送った先で販売されるか否かで区別する」と読めるので、バイヤーの名称が販売店等の非個人名で無い限りは、個人使用=無償=贈り物などだと思っていました。


mmaaxxさん

コメントありがとうございます。
確かにその説明だとわかりにくいかもしれませんね。
受取人が個人か販売店かにかかわらず、受取人に販売したものであれば「有償」という認識でよいと思います。
またなにか気づきがあればコメントいただけると嬉しいです。